音楽、映画の本屋 ”ジョニーボーイ”

音楽、映画の本屋 ”ジョニーボーイ”

音楽と映画に関する本を紹介、販売します。

少年と自転車

2012.04.18 Wednesday 17:38
公開年:2011年
製作国:ベルギー、フランス、イタリア
監督:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
キャスト:セシル・ドゥ・フランス、ジェレミー・レニエ
劇場:渋谷 ル・シネマ


 『ロゼッタ』『ある子供』で2度のカンヌ国際映画祭、パルムドール大賞を受賞しているダルデンヌ兄弟の最新作である。この作品もカンヌでグランプリを受賞している。親にすてられ、児童養護施設にいる少年シリルと週末だけの里親サマンサとの交流を淡々と描いて、感動的である。この作品がデビューの少年シリル役のトマ・ドレが傷ついた少年の心を見事に演じきっていて素晴らしい。監督が日本で聞いた話から生まれたという。やはり親と子の関係を描いたものには人種、国を問わず普遍的なものがあるのだろう。ラストに向かうシーン。シリルとサマンサが自転車で並走するシーンは心に残る。ここで終わり? かと思うと・・・(ネタバレなので、ここは言えないが、とって付けたような感じがするシーンが追加されている。このシーンが必要だったかどうかは疑問)





最近観た映画 | comments(0) | trackbacks(0) | - | ログピに投稿する |

マイルス・デイヴィスとは誰か /「ジャズの帝王」を巡る21人

2012.04.12 Thursday 10:51
小川隆夫、平野啓一郎(著)

 平凡社新書


 マイルス・デイヴィス関連の本は多々あるが、本書は彼と関わった21人のミュージシャンを通して彼の凄さを改めて知ることができる、という内容になっている。ジャズ・ジャーナリスト、DJ にして現役整形外科医の小川隆夫と芥川賞作家の平野啓一郎が第1部では21人について分担執筆し、第2部には2人の対談を収録している。チャーリー・パーカーからマーカス・ミラーまで、その時代を代表するミュージシャンのマイルスとの関わりから、その時代の音楽状況、黒人の位置などが浮かび上がる。マイルスを知るには格好の一冊であろう。自分もマイルス初心者であるが、彼の残したものがいかに凄いものかが少しだが分かった気がする。
 マイルスをまだ聴いた事のない方は、最近出た、ブルーノート・ベスト・ジャズコレクション(デアゴスティーニ・ジャパン)の【1号】マイルス・デイヴィスをお勧めする。CDと解説本付きでお手頃。


milesDavis



InterFM /Jazz Conversation :小川隆夫がパーソナリティーを務めるジャズ番組




音楽 | comments(0) | trackbacks(0) | - | ログピに投稿する |

ヒューゴの不思議な発明/原題:HUGO

2012.03.13 Tuesday 13:13
公開年:2011年
製作国:アメリカ
監督:マーティン・スコセッシ
キャスト:エイサ・バターフィールド、クロエ・グレース・モレッツ、ジュード・ロウ
劇場:新宿バルト9



 スコセッシの映画愛が画面の隅々に詰まった作品。アカデミー作品賞は惜しくも逃すが、撮影賞ほか5部門受賞。本作で重要な役割を果たすジョルジュ・メリエスは実在の人物。映画創世記において、映画の魔術師と言われた伝説的な人物である。スコセッシにとって初の3D作品。ギャングなどの暗黒街の世界を多く撮ってきたスコセッシだが、この作品では少年を主人公とした作品で、ファンにとっては以外だったかもしれない。しかし、映像を観れば、彼自身の原点に戻り、映画の素晴らしさを伝えたい思いが満ちあふれていて、3Dにした意味も含めて納得である。映画を愛する全ての人に観てもらいたい。 



hugo






最近観た映画 | comments(0) | trackbacks(0) | - | ログピに投稿する |

ジョージ・ハリスン / リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド

2012.01.16 Monday 09:36
公開年:2011年
製作国:アメリカ
監督:マーティン・スコセッシ
キャスト:ポール・マッカートニー、リンゴ・スター、エリック・クラプトン、他
劇場:角川シネマ有楽町



 ビートルズ・ファン、いや、音楽ファン必見のドキュメンタリー映画。ビートルズ参加以前の少年時代から死の直前までを、ジョージを取り巻く多くの仲間たちのインタビューを交えて、その苦悩や音楽の世界を克明に描いている。ジョンとポールの存在の影で苦悩する日々。またビートルズ成功は逆に自身の心の平静を奪った。そして、LSDに心の精神性を求めるようになる。その頃、あのインドのシタール奏者ラヴィ・シャンカールと運命的な出会いをする。この出会いがその後のジョージの音楽にも大きく影響を与える事になる。その他、見どころは満載ではあるが、その中でも興味深いのは、あの映画 『Get Back』撮影中の映像である。メンバー間の緊張感がひしひしと伝わってくる。ギターの演奏方法でポールと口論になる場面で緊張感は最高潮に! もう、解散は決定的と思わせる場面である。ソロ活動開始と共に心が解放されたかのように、ジョージの才能が爆発する。
 Part1が95分、Part2が115分の2部構成。長尺だが、観るに値する作品であると思う。監督、マーティン・スコセッシに因るところも大きい。






最近観た映画 | comments(0) | trackbacks(0) | - | ログピに投稿する |

いちご白書

2011.11.29 Tuesday 14:32
公開年:1970年
製作国:アメリカ
監督:スチュアート・ハグマン
キャスト:ブルース・デイヴィソン、キム・ダービー
劇場:新宿武蔵野館


 1970年に公開された伝説的な青春映画、「いちご白書」がデジタルリマスターで再上映されている。気になったので、新宿武蔵野館で鑑賞。原作は1968年に実際にコロンビア大学で起きた学生ストライキに参加した学生の手記である。映画は当時の時代背景も相まって、 "ラヴ&ピース" を叫ぶ学生を中心に大ヒットした。そして何と言っても、本作を彩る音楽が素晴らしい。主題曲は、バフィ・セントマリーの歌う「サークル・ゲーム」(作詞・作曲はジョニー・ミッチェル)、ほかにも、ニール・ヤングの名曲「ヘルプレス」、ジョン・レノン&プラスティックオノバンドの「平和を我らに」等効果的に使われている。今観ても新鮮な感動を覚えるのだから、当時リアルタイムで観た若者は、どんなに感動したのだろうか。羨ましい。
*ちなみに、武蔵野館の次回作は、名作「ひまわり」である。







最近観た映画 | comments(0) | trackbacks(0) | - | ログピに投稿する |

恋の罪

2011.11.16 Wednesday 17:19
公開年:2011年
製作国:日本
監督:園子温
キャスト:水野美紀、富樫真、神楽坂恵
劇場:テアトル新宿


 圧倒的な映像でラストまで一気に見せる。富樫真、神楽坂恵の鬼気迫る演技。水野美紀の刑事役は印象が薄い。(女刑事はちょっと違和感がある)その他、脇を固める男性陣も一癖も二癖もある役で作品の厚みを加えている。そして美津子の母親役の大方斐紗子は強烈な印象を残す。グロテスクで刺激的なな映像とは対照的に、マーラーの交響曲第五番第四楽章の美しい旋律がみごとにはまっている。
 
 *劇場の隣の男が上映中、パンを食いだした。カサカサと包装パックをむしる音、そしてパンの匂いが気になって、映画に集中できない時間が数分間あった。本当にやめて欲しい!
上映時間の2時間あまり、食べるの我慢できないかね?








最近観た映画 | comments(0) | trackbacks(0) | - | ログピに投稿する |

Nantucket Sleighride / Mauntain

2011.11.10 Thursday 15:03
■1971年
■Odyssey / CBS SONY


 アメリカのハード・ロック・バンド、マウンテンの3rd アルバム。クリームをプロデュースしたフェリックス・パッパラルディのベースと巨漢レズリー・ウェストのギターが炸裂する、「Don't Look Around」から始まる。そして静かで美しいインストの佳曲「Taunta」を前奏曲として3曲目アルバム・タイトル・チューンの「Nantucket Sleighride」が静かに始まる。この流れはゾクゾクするほどに素晴らしい。Nantucket とはメルヴィルの「白鯨」でも知られる捕鯨船の拠港(アメリカ、マサチューセッツ州の島)である。続いては再びハードな「You Can't Get Away」。A面は、イントロのギターのメロが印象的な「Tired Angels」で終わる。B面は先行シングルで大ヒットした、メロディアスなナンバー「The Animaru Trainer & The Toad」で始まる。2曲目は、ミディアム・テンポの「My Lady」。スティーブ・ナイトのキー・ボードが心地いい。曲目はこれもシングル・カットして大ヒットした「Travellin' In The Dark」(邦題:暗黒への旅路)。当時、この曲を聴いて、カッコいいと思い、アルバムを買った記憶がある。適度にハードで、ハーモニーも素敵な曲に仕上がっている。そしてアルバム最後は、レズリー・ウェストのギターとスティーブ・ナイトのピアノが絶妙の絡みをみせる「The Great Train Robbery」で幕を閉じる。どの曲もキャッチーでアルバムの完成度は高い。パッパラルディの奥さんのコリンズがアルバムのカバー・デザインと作詞で7曲に加わり、アルバムに花を添えている。アルバムにはオリジナルのソング・ブックと日本語のライナー・ノーツおまけにメンバーのモノクロのフォト2枚も付いている。見開きのカバーも迫力がある。



mountain

アナログ盤再び | comments(0) | trackbacks(0) | - | ログピに投稿する |

元気です。/ よしだたくろう

2011.11.03 Thursday 08:00
■1972年
■Odyssey / CBS SONY


 今回は初めて、日本人アーティストのアルバムを取り上げてみた。吉田拓郎のCBSソニー移籍第一弾。
 当時、中学生だった自分は、兄が買ったこのLPレコードを何度も聴いた記憶がある。まだフォーク・ソングが全盛だった時代の、拓郎の魅力満載の素晴らしいアルバムだ。A面1曲目は、ボブ・ディランの「Stuck Inside Of Mobile With The Memphis Blues Again」を思わせる、「春だったね」で軽快に始まる。A3は加川良の作詞、A5はライブでおなじみの「夏休み」、A7はモップスが歌ってヒットした、「たどり着いたらいつも雨降り」。ここまでがA面。 アコースティック・ギターの響きが心地いい、「高円寺」、「リンゴ」、「旅の宿」、「祭りのあと」、「ガラスの言葉」が聴けるB面は特に秀逸。ギターの石川鷹彦の貢献度が高い。このアルバムを聴いて、フォーク・ギターを始めた中高生は多いだろう。自筆のライナーノーツも付いていて、拓郎ファンにはたまらない1枚と言えよう。

【ライナーノーツ】

元気です。

 僕はやっぱり元気なのです。とてもたくさんの反感を買いましたが、考えてみればたかが一枚のレコードがヒットした位で目の色を変える事もないのです。マスコミを非難しておきながら、そのマスコミに踊らされている人達の多い事。見出し人間の多いのにはあきれます(かく云う拙者もその一人)。電車の中にはってあるあの週刊誌のチラシ、そしてそのチラシの只の一行をを読んだだけで全てを知ったかの如くふるまう人間。そう、皆んな見出し人間なのです。でも、もういいかげんにしようではないですか。そう、僕はいいかげんにしたいのです。もううんざりなのです。“帰れ!” なんて云ってはいけない。云った人も云われた人ももうその瞬間から敵味方、そんな馬鹿な事、やっぱりいけない。そんな貧しい発想で僕達は接触し合っていたのです。だから、もうフォークなんてマッピラと思ったりしているのです。そんなセコイ事しか云い合わない、お互同士で非難し合ったり。そして結局、気がついてみるとフォークほど「こうでなければ」とか「こんな事はしちゃいけない」とか云う規制が多いものはないのです。より自由であった筈のものなのに。でも、それでも人は云うのです、「フォーク・ソングは自由の歌である」などと。自由の顔をした不自由な籠の鳥です。だからもううんざりなのです。フォーク・シンガーになんかなりたくないのです。だって、僕はもっと自由でいたいし、人前でだけ器用に自由を売り物になんかしたくないから。もうやめよう、もういいかげんにしよう。僕の歌は僕の歌、君の歌は君の歌。ひょっとしたら、僕の歌と君の歌が接点を見出すことがあるかもしれない。だけど、だからと云ってそれがフォークでなければならない理由はひとつも無いのです。まやかしが多いのです。フォークなんて言葉に乗っかって甘えているのです。フォークだから何でも出来る、言えるなんてとんでもない事です。自分の歌だから出来るのです。自分で自分の言葉をもつのです。その時もうフォークなんて関係ないのです。何でもいいのです。自分の歌であるならば、自分のメロディを皆んながもてれば・・・・・・。僕はやっぱり元気なのです。

 さて、レコーディングのお話です。ミキサーの田中さんには心から敬意を表します。いつも笑顔で僕のわがままを聞いて下さいました。石川鷹彦選手の協力もこのLPでは大きかったのです。皆んなとてもいい人達です。前田仁氏はレコーディングのあいだ中卓球をしておりまして世界でも類を見ない有能なディレクターなのです。各プレーヤー諸君御協力ありがとう。とても楽しい一ヶ月半でした。
 
       1972年6月24日     拓郎



takuroliner



アナログ盤再び | comments(0) | trackbacks(0) | - | ログピに投稿する |

Desperado / Eagles

2011.10.26 Wednesday 14:33
■1973年
■Warner-Pioneer / Asylum Records


 
 70年代、ウェスト・コーストの雄、イーグルスのセカンド・アルバムである。後にリンダ・ロンシュタット等がカバーした、名曲 “Desperado”を軸にしたコンセプト・アルバムになっている。プロデュスーはファーストと同じ、グリン・ジョーンズで録音はまたもロンドンである。このアルバムではまだ、ギターのバニー・リードンの好むカントリーやブルー・グラスをベースにした楽曲とロックが良いバランスに収まっている。イーグルスのアルバムの中では、「Hotel California」と並び、まとまりがあり、アルバムを通しで聴きたくなる。3枚目の「On The Border」ではメンバーにドン・フェルダーが加わり、よりロック色が濃くなる。そして、バニー・リードンの脱退に繋がっていく。(この時期のバニー・リードンとドン・ヘンリー、グレン・フライの対立の様子は、ドン・フェルダーの自伝『天国と地獄/イーグルスという人生』に克明に書かれている)アルバム・ジャケットもカッコいい。表面はメンバー4人がライフルを構え、凄みをみせているショット。裏面はメンバー4人プラス、ジャクソン・ブラウンとJ.D.サウザーが捕まって殺されているショット。これもアナログ盤で持っていたい1枚である。



desperado_omote


desperado_ura
ジャケット裏の写真





アナログ盤再び | comments(0) | trackbacks(0) | - | ログピに投稿する |

Northern Lights -Southern Cross / The Band

2011.10.20 Thursday 11:09
■1975年
■Capitol 東芝EMI


 通算7枚目のアルバムであり、実質上の5人の The Band によるラスト・アルバムと言っていいだろう。(Capitol との契約期間を満了させるための8枚目のアルバム “Islands” があるが、やっつけで作成されたと、評論家からは酷評されている)
 当時は好んで聴いていなかったが、この歳になって聴いてみると、実に味わい深い。アルバムのライナー・ノーツで小倉エージが言うように、寒くなってきたこの時期にじっくり聴けば、ぬくもりが感じられるような、そんな肌触りのある作品である。全8曲がオリジナルで、全てがロビー・ロバートソンの作品である。A面2曲目のリチャード・マニュエルのボーカルが渋い “Hobo Jungule” 、B面2曲目、本アルバム唯一のリック・ダンコがボーカルをとる哀愁漂う名曲 “It Makes No Difference” のバラード2曲が聴きどころ。その他の曲もクオリティーは高い。ガース・ハドソンが奏でるミニムーグ、ラウリーオルガン、アコーディオン、そしてロビー・ロバートソンの表現力あるギターが分厚いサウンドを構築している。繰り返して聴くに耐えうる大人のアルバムに仕上がっている。


band



アナログ盤再び | comments(0) | trackbacks(0) | - | ログピに投稿する |